2021/08/11_ガット張り(画像付き)

2021年08月11日

前回、ガット張りのことを記載したところ、ちょうどサークルメンバーからガット張りの依頼がきたので、画像付きでガットの張り方をアップします。

使用している機械は、スピンジャパン社の「ディアナSP Ver1」です。新品で販売されているのは「Ver3」か「Ver4」となっており、廃盤となっているようですが、現役としてなんの支障もなく働いております。

んで、今回張るのは、SRIXONのCR200ってラケットです。ストリングパターンは、縦16×横19という、比較的一般的なラケットです。今回は45ポンド指定となっています。


ガットはロールガットでもっているミクロスーパーです。今回は1本張りなので、ラケット15本分でカットします。ポリのガットだと15本でちょうどよいのですが、ナイロンだと張っているとガットが若干伸びるので、ラケット14本と3/4ぐらいでもたぶんいけるはずです。

でもまぁ、足りなくなってやり直し、という最悪の事態は避けたいので、いつも張っていないラケットの場合は、若干余裕をもってカットしておきます。

ショート側(ガットの余りが短い方)は、センターに通した後の残りのガットの長さはラケット4本分です。縦は16本なので、各サイド8本ずつになります。

私の張り方ですけど、ショート側は、サイド7本張った後に、クロス(横)をトップ側に2本張っているので、「ラケット4本分」の長さが必要になります。クロスを張らない、もしくは、クロスを1本しか張らない、のであれば、「ラケット4本分」の長さは必要ありません。



そして、センターにガットを通して、2本いっぺんに引っ張ります。

ちなみに最初のクランプはスペースの関係で同じ場所でとめれません。なので、スターティングクランプも使って、最初はとめています。

んで、片側を2本通した後で、スターティングクランプ側を再度引き直します。

下の画像にある通り、再度引き直さないとテンションが緩んでいることが目で見て確認できます。


そのあとは、縦ガットをひたすら張っていきます。

ここらへんは、何も考えずひたすら無心で張っていきます。

んで、ロング側(横のガットを張る方)は縦8本全部張った後にスターティングクランプでとめておきます。ヘッド側のクロスをショートのガットで張るため、普通のクランプをあけておく必要があります。



ショート側を7本張った後で、トップ側のクロスを2番目⇒1番目の順番で通していき、ガットを止めます。結び目を作るときにどうしてもガットは緩みがちなので、最後のテンションは10%増しでひくようにしています。ここらへんはガット張り機に「KNOT」というボタンがあり自動的にやってくれるので、特にテンションの計算や設定を変更することなくスムーズにできます。

また、とめるところにガットを通した後で、下図のように目打ち(桐のようなもの)を差し込み、ガットが緩まないようにしておきます。初めてガット張りをしたときは、目打ちのことを教わらなかったので、しばらくは目打ちせずにやっていました・・・

今はしっかり目打ちして、ガットが緩まないように気を付けています。



んで、結び目はダブルノットです。ダブルノットにすると、グロメットの中に埋まってしまうことがないですし、見た目もわりかしきれいなのでおすすめです。

ちなみに、2本張りの時のスターティングノットはフィッシャーマンズノットがおすすめです。単純に見栄えがとてもきれいだからです(笑)


そして、今度はロング側を1周(アラウンドザワールド)させて、トップ側からガットを張っていきます。

グリップ側のクロスを張るときは、すでにトップ側のクロスを張っています。クロスは交互にガットを張っていくため、適当に張るわけにはいきません。最初の縦ガットに対して、上から通すのか下から通すのか、トップ側の順番からしっかり計算して張ることが必要になります。



んで、1周させてからは、一心不乱にクロスのガットを張っていきます。

ちなみに、YONEXのEZONEはクロスガットを張るのに注意が必要です。ラケットにはクロスガットを通すのに向きが指定されているものもあります。今回のSRIXONやバボラのラケットは特に向きを指定されていないので、特に気にせず張ることができます。

そして、クロスガットを全部張ったら、最後も10%増しで引っ張り、目打ちをして、ダブルノットで結びます。

ダブルノットをする直前のガットを撮影したので、こんな感じです。2回輪をつくります。1回目は外に輪をつくり、2回目は内側に輪をつくり、最後に、うちにあるガットを外から回して2つの輪の中にガットを通す、ことになります。

まずは、1回目につくった輪をしっかり締め、その次に2回目につくった輪をしっかり締め、最後に輪の中を通したガットを引っ張れば完了です。輪をしめるときは、ラジオペンチでしっかり引っ張ってあげると、結び目が美しくなります。

詳しくは、いろいろ検索すれば出てくるので、こちらでは割愛します。


1回目の輪を締めたところ

2回目の輪を締めたところ

全部締めたあとのダブルノット


これにて1本張りのガット張り、完了です。

今回は縦16×横19のストリングパターンでしたが、たまに縦18のラケットもあります。確かHEADのラケットであったはずです。ガットを張るときに、しっかり「ストリングパターン」を調べてからやらないと痛い目にあいます。

まぁ、痛い目にあわないとガット張りを覚えられない、という気もしますけどね。ただ、ガットを持ち込まれて張るとなると失敗ができませんけどね(笑)